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マチネのひととき【主任だより】
主任より
いつも修明高校noteをご覧いただきありがとうございます。主任です。
修明高校文理科における「総合的な探究の時間」の活動を発信している「主任だより」ですが、総探の記事を書きながら「主任よ、君は探究以外の授業はちゃんとやっているのか?」という質問が、画面の向こうから飛んでくるのをたまに感じます。
そんなことで、今回はちょっと個人的になりますが、修明高校の音楽教員(!)である私の授業の様子をお届けします。
「マチネ」?
「マチネ」と聞くと平野啓一郎の長編小説「マチネの終わりに」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。ギタリストとジャーナリスト二人のロマンスを描く物語です。
ここ数年で私が一番感動した小説と言っても過言ではないほど、心に残っている小説です。まだ読んでいない方にはぜひ読んでいただきたい。ちなみに映画化もされています。こちらはとにかく音楽が良く、小説とはまた違った魅力があります。
話を戻します。小説を読んだ方ならこの「マチネ」の意味はお分かりでしょうが、昼間に開かれる演奏会のことを「マチネ」と言います(逆に夜の公演のことは「ソワレ」と言います)。
修明高校でも先日、音楽Ⅰ授業で「マチネ」を開催しました!
音楽Ⅰ「ピアノアンサンブルの魅力を味わおう!」
相馬農業高校 佐藤芳樹先生をお迎えして
ピアノ連弾、2台ピアノなど、ピアノを2人以上で演奏する演奏形態があります。
生徒たちにも身近な楽器であるピアノの、なかなか触れる機会はないけれど、たくさんの魅力が詰まった世界を味わってもらいたいという思いから、相馬農業高校で音楽を教える佐藤芳樹先生をゲストティーチャーとしてお招きし、音楽Ⅰの授業において生演奏による「ピアノアンサンブル」の鑑賞の授業を実施しました。
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授業と言っても堅苦しいものではなく、レクチャーコンサートのような形で、ピアノ連弾と2台ピアノの音色の違いや音楽の特徴の違いに注目しながら鑑賞する、というものにしました。
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ピアノアンサンブルの魅力を味わえるプログラミングを考えました。
生徒たちが大好きなMrs.GREEN APPLEのライラックからスタート、高音から低音までピアノ一台をフルに使う連弾ならではの演奏に、生徒からは「すげぇ〜!」の声が。
次に演奏したのは「ボレロ」で有名なフランスの作曲家M.ラヴェルの「マ・メール・ロワ」から3曲。有名な「眠りの森の美女」や「親指小僧」などのおとぎ話を下敷きに音楽が作られています。
その中でも「美女と野獣の対話」は連弾ならではの楽曲で、美女を表すメロディー(高音パート)と野獣を表すメロディー(低音パート)、二つのメロディーが対話をするように近づき、離れ、絡み合いながら、最後には野獣が王子の姿に変身するという、なんともロマンチックな音楽となっています。
生徒の感想用紙にも、「美女と野獣が話している様子や、王子様に変身する様子が音でわかりました」というものがあり、連弾の表現の豊かさを感じられる曲だったようです。
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一人での演奏とはまた違った音が広がります。
2台ピアノの演奏は、生徒たちが1学期に歌った「茶摘み」からスタート。
現代日本を代表する作曲家の三善晃が2台ピアノ用に編曲したものです。
自分たちが手遊びをしながら歌った歌の二台ピアノ演奏、感想にも「心に響いた」「イメージが変わった」など書いてくれました。
ちなみに、2台ピアノの配置にはいろいろな形があるようですが、今回は生徒たちに演奏する手が見えるように斜めに配置してみました。
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上から見ると「人」の形になっています。
ホンモノの大切さを伝えるために
このコンサート、実は今回が初めてではなく、6年前に始めて(コロナの時期に一度中断してしまいましたが)今回で5回目を数えます。今では私と芳樹先生の3学期の恒例授業となっています。
なかなかコンサートに足を運ぶことのない生徒たち、でも、音楽は好き!という生徒たちに、少しでも「ホンモノ」に接する機会を作ってあげたいという思いから、今でも続けています。
今の時代、検索すれば音楽や映像はすぐに視聴できて、スマートフォンやタブレット、パソコンで全ての娯楽を網羅できてしまう時代です。何でも「これはこういうもの」と、すぐに「わかったつもり」になれてしまいます。
でも、「ホンモノ」と対峙して、空間を共有して初めて感じられるものは、確実にあると思っています。楽器の生の音はもちろん演奏者の呼吸、その場の緊張感、画面やスピーカーを通してでは感じ取れない、実際に体験して初めて感じられるものです。
(プロの方には到底及びませんが)私たちのコンサートが、生徒の心に少しでも残ってくれれば、と願いながら続けています。
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おわりに
長々と書いてしまいましたが、こんなことをしている主任です。
ちなみに先週までは授業でヴァイオリンをやっていました。専門分野ではありませんが、生徒と一緒に楽しみながらアンサンブルしていました。
やっぱり「知ってる!」だけでなく生徒の「やったことある!」「生で聴いたことある!」「本物見たことある!」を増やしてあげるにはどうすればいいかな、と考えながら授業をしています。
…あ、これはもしかして探究では!?
何事も探究なのかもしれませんね。
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